著者: 時雨沢 恵一/黒星 紅白
ジャンル: 青春・学園
評価: 3.6点 (36件)
タグ: 現代日本・学園・ライトノベル作家・声優・同級生・青春・サスペンス・ミステリー・心理描写・葛藤
人気ラノベ作家の主人公が、年下のクラスメイトで声優の少女から首を絞められる。なぜ?痛くないのに、頭の中では黒い染みが広がり始める。彼女の涙と叫びの裏に隠された、予測不能な物語が幕を開ける。
僕は、硬い床に背中をつけて横たわっている。水色で薄手のセーターを纏った彼女の両腕が、僕の首に伸びている。彼女の手は、とてもとても、冷たい。それは、まるで、鎖のマフラーでも巻かれたかのようだ。照明からは逆光になるので少し薄暗い、彼女の顔。彼女は泣いている。見開かれた大きな瞳から、セルフレームの眼鏡のレンズ内側にぽたぽたと涙を落としている。 「どうしてっ!?」。叫び声と共に、さらに強烈な力が僕の首に加わる。まるで痛くはない。そのかわり、頭の中でーー、真っ黒な墨が一滴、音もなく落ちた。その黒い染みは、じんわりと広がり始める。 「どうしてっ!?」。彼女が再び叫んだ。どうしてこんなことになったのかーーそれは僕が知りたい。